こんにちわ。いろいろな副業にチャレンジしては失敗と成功を繰り返すたまいちです。
今回は【兼業さつまいも農家】としての副業収益を赤裸々に公開していきます!
- さつまいも農家ははたして儲るのか?
- 副業でさつまいも農家をすることは可能なのか?
- さつまいも農家とは実際どんな労働になってくるのか?
- 実際に挑戦してみてどんな大変さがあったのか?
この記事を読めばすべてがわかります!
これから副業で農業にチャレンジしたい!と思っている方の参考になる記事に仕上げますので、是非とも最後までお付き合い下さい。
兼業で農家ってどういうこと?

定義はいろいろあれど「サラリーマン等で働きながら、農家をしている」状態ですね。
農家の知り合いが一切いない方は自分が農家になるなんて想像もできませんよね。
安心して下さい。私も農家や農業関連の知り合いはゼロの状態からスタートしています。
兼業で農業を始めてみたい!って方は、とりあえずお住いの役所にある農政課等に問い合わせてみると、補助金制度だったり、農地の貸し出しだったりと色々と協力してもらえます。
地域によって差はあれど兼業農家にはちょっとした手続きをすれば割と誰でもなれるので、まずは相談に行ってみましょう!
今回はさつまいの農家としての収益部分をメインにお伝えしたいので、補助金だったり、地域や個人で大きく変わってきそうな部分の費用は除いて紹介していきますね。
今回のさつまいもを育てた規模

私は今回、友人とともに約700平米(200坪位)の畑を借りて、600本の苗を植えてきました。
苗を600本しか用意していなかっただけで、実際1000本位は植えられたのでこの記事内では1000本植えたと仮定して計算していきます!
ちなみに労働力としては友人と私の二人だけ。二人とも正社員として週5日間働いていますので、完全な休日農家。動ける日は二人合わせて最高で月8日間程度。月平均4日間程度の副業でした。
さつまいも農家としての収支想定・結果
さつまいも農家の支出想定

畑代…年間約1万円。
畑は余っている農地を探して、地主さんから借りました。
余っている畑は貸す側としても活用してもらった方が、農地として維持できて税金が浮く為、畑代は交渉次第で安くできる可能性が大です。
住んでる地域の農協や役所の農政課に相談に行けば貸し手と借り手をつないでくれたりもします。
「畑が見つからない…」というパターンも都心でなければまずないと思います。
トラクター代…1回約5千円~1万円程度。
畑を耕して畝を作る日だけ借りれば良いので1回でOK。
トラクターは近所の農家さんにお願いすれば安く貸してくれると思いますが、
もしレンタルを利用した場合でもこれ位で借りられます。
さつまいもの苗…1本約40円。1000本で約4万円
苗も苗屋さんとの交渉次第でかなり安く抑えることができます。
今回は値段交渉をしていませんが、頑張り次第で30~35円でいけたと思います。
肥料代…約1~3万円。
肥料をどれだけ入れるのかは、もともとの土の状態やさつまいもをどの位の大きさに育てたいのかによって結構変わってきます(土の状態は畑を借りる時に聞けば大抵教えてくれます)。
正直、大きさは気にしないよ。スーパーで売っている小さいサイズのさつまいも程度でいいよ。ってことであればほぼ無肥料で育てられます。それ位さつまいもは育ちやすい作物です。
ちなみに農薬は使いませんでした。無農薬が最高!というよりはケチだったからです。笑
ここまでを合わせると、6.5~9万円程度の支出予想
さつまいも農家の収入想定

苗1本からさつまいも4~5本は収穫できるので、苗を1000本植えたらさつまいもが4000~5000本の収穫が可能。
さつまいも1本は道の駅などで約150円程で販売が出来ます。
苗1本40円が750円になってしまう…。恐ろしい錬金術。
収穫した5000本が全て売れた場合、
売り上げは75万円程!!
出費を差し引いても65万程の収益予想!!
さつまいも農家としての収支結果
こんなのは机上の空論でしょ。という意見が聞こえてきそうですね。
その通り!
実際には、この計算通りにはいかず、収益予想の-30万程になりました。
- 畑・道の駅・自宅の往復のガソリン代
- 道の駅への出品の手数料
- 自分たちで食べる分
- 廃棄分(後述します)
などを計算に入れてなかったのが大きな失敗でしたね。
実働時間はざっくりですが5月~11月頃の期間で友人と合わせてトータル100時間程、月10~20時間程度でした。
時給に計算すると収益約35万÷労働100時間=時給3500円。
時給3500円はかなり良い副業ですね。
ただ、これだけの数のさつまいもを育てるのにはそれなりの苦労が伴います。数字だけでは考えられないような事が多々ありました。
副業でさつまいも農家はかなり大変!?

お金の面だけみるとかなり良い副業に思えることでしょう。
ここからはさつまいもを育てる一連の流れも合わせて、どれくらいの労力がかかるのかを紹介していきますね。
畑の用意
これは農政課や農協に相談に行けば解決。時間があるなら自分で地主を見つけて交渉してみるのもありですね。
さつまいも苗の購入
安く買う為に業者とのやり取りを頑張るだけ。
植え付け直前に苗を探して買うより、植え付けの半年ほど前に苗屋さんを見つけて購入数を伝えておくだけで安く買えると思います。
肥料の購入
肥料屋さんでの交渉を頑張るだけ。肥料も年々高くなっている傾向にありますので、値段の交渉よりはコスパの良い肥料を探すことを心掛けた方が良いですね。
畑を耕す
畑をトラクターで耕した後、肥料を撒いて、再びトラクターで耕し畝を作っていきます。
700平米の畑であれば半日程度で行えるでしょう。
トラクターの振動が激しいですが、ゆっくり走る車で畑の全面を走行するだけなので特につらくはないと思います。
畝にマルチシートをはる
これはやらない人もいるかと思いますが、私的には雑草予防・害虫予防・肥料の吸収率アップ・土の保湿等の為にもやった方がいいと感じました。
ただ体力的にはとても大変です。
1000本分の畝にマルチシートをはるのは二人がかりで2日間ほどかかりました。
ここまでの準備を苗を植える日までに完了しておきます。
さつまいも苗を植え付ける(5月中旬)
さてここからが本番。
苗の植え付けは、スコップで畝の上に穴を掘って、苗を植えて土をかけなおすだけの単純作業。
1000本なら2人で4時間程で行えます。1人でやるとしてもそれほど重労働ではないので、丸1日使えば完了することでしょう。
ちなみに腰にかなりきます…。
さつまいものつる返し(7月頃~)
植え付けから2ヶ月程すると、植えた苗が伸びて伸びて伸びまくってきて、畝の外まで伸びていきます。そして畝の外の土に接した部分からも根をはってしまいます。
これを放置すると栄養が分散されてしまうので、小さいさつまいもしかできなくなってしまう。らしいです。
なので伸びてきた部分を土からはがしてひっくり返す作業をします。これがつる返しです。
つる返しは重労働ですが、1000本であれば1回1~2時間程度。収穫までに1~2回行えば問題なく育ちます。
さつまいも収穫と出荷(9月~10月)
1日で全部収穫する必要はないので、出荷できる量と照らし合わせながら収穫していけば良いと思います。
例えば1週間で300本売れるのでしたら、毎週300本ずつ収穫して出荷すれば良いわけです。
300本分収穫するのにかかる時間は3時間程度。ただこれが一番重労働です。ショベルで芋を傷つけないように周りの土を掘り進めながら抜いていくので、3時間程度で体の限界がくることでしょう。
私の場合は先輩農家さんから紹介して頂いた産地直売所などに卸していましたが、売り先も農政課や農協に連絡すればある程度は相談に乗ってくれると思います。
さつまいもは貯蔵のきく作物なので、倉庫等がある場合は多めに収穫して倉庫に保管しておくのもありですね。
想定外の出来事は!?

さつまいもは収穫がめちゃ大変。
さつまいもの収穫は想像以上にハードでした。土の硬さにもよりますが、力ずくで引っ張るだけではうまく引き抜けません。
土が硬いとショベルで土を掘るのも大変ですし、引き抜く際に硬い土に擦れてさつまいもの皮がむけてしまう危険が高まります。さつまいもは皮が傷つくとかなり腐りやすくなるので重労働なのに繊細さを求められる作業でした…。
土の硬さ的には雨が降った2日後位が一番収穫しやすく、そこでどれだけ収穫できるかが勝負ですね。
雑草を抜くかどうか問題
畑をやっていると苗が育つのと同じように、雑草もぐんぐん育ってきます。雑草が育つと虫が増えたり、湿気がたまる事で病気の原因になったり、良い事はほぼありません。
なので多くの農家さんは雑草をちゃんと抜いている畑は素晴らしい。放置してる畑は残念。と感じます。私も雑草を放置しすぎて先輩農家さんに怒られました。
雑草への対策と結果は大きく分けて4パターン。
- そのまま放置…作物に虫や病気がつく。さつまいもの場合は葉がやられて栄養不足になる等。
- 伸びてから草刈り…雑草が大きく重い為、草刈り鎌や草刈り機で重労働。月1回程度行う。
- 伸ばす前に抜く…雑草が小さい為、手で抜ける。腰への負担大。週1回以上行う。
- 除草剤…ほとんど生えてこないが、2ヶ月に1回程度行う。
私は「伸びてから草刈り」で対応していましたが、先輩農家さんからの視線は痛かったですね。
さつまいもの収穫時期は1ヶ月半程度。
さつまいもの収穫時期は9月中旬~10月末頃までの1ヶ月半ほど。
それ以降はさつまいもが大きくなりすぎて割れてしまったり、花がなる部分に栄養を吸われて土の中で腐ってきたりと大変な事態に…。
私たちも収穫に想定以上の時間がかかった為、いくつものさつまいもをお亡くなりにさせてしまいました。私たちのように大量に育てたはいいが収穫が間に合わず…。なんて事態にはならないよう気を付けましょう!
売り先に困った
これは全ての商売に言えることですが、収穫したさつまいもは無限に売れるわけではありません。売り先を見つけておかないと、どうしようもない事態に…。
私たちの場合は先輩農家さんの繋がりから売り先をすぐに見つけることができましたが、それでも1週間で売れる数には限度がありました。
例えば
さつまいもが販売できる時期は収穫1ヶ月半と貯蔵1ヶ月半の約3ヵ月(約12週間)。
1週間で200個分の売り先しかないとしたら、約12週間で2400個しか売り切れない。
こんな風にどの程度の量が売れるのかを先に計算してから育てる数を決めないと、毎日さつまいもご飯・さつまいも味噌汁・さつまいもステーキを食べる事になります。
まとめ
さつまいもの収益・労働時間などいかがでしたでしょうか。
さつまいもの単価がかなり高い事、1本の苗から約5本のさつまいもが取れる事、貯蔵ができる事などを考えると収穫の労働は大変だが、さつまいもはかなりコスパの良い作物と言えるでしょう。
いくつかの作物を育てて売ってきた私としてもさつまいもはかなりおススメです。売り先を確定させてその分だけ育てるサイクルを作り出すことができれば、良い副業になると思います。
育てる数を少なくすればそれだけ労働時間も減りますからね。労働時間をコントロールできる面でも農家はかなり副業向きですね。
さつまいも農家を始めたい!と思った方は、是非とも少量のさつまいもからやってみてください。私たちは収穫の際、大量にとれた喜びとどう処理するかの冷や汗がとまりませんでしたので。
最後までご覧頂きありがとうございました!!
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