こんにちわ。介護福祉士として施設介護士歴14年目のたまいちです。
施設で介護士として働いていると、看取りケアの場面に立ち会うことがありますよね。
利用者さんが亡くなられ、ご家族が到着されたときに「なんて声をかければいいんだろう…」と毎回悩む…。という方も多いと思います。正直、僕も毎回完璧にはできていません。「あの言い方のほうがよかったかな…」と後から振り返ることもしょっちゅうです。
この記事では、私がこれまでの現場経験で学んだ「利用者さんが亡くなられたあとのご家族への声かけ」の考え方と、すぐに使える声かけ例文をまとめました。
【この記事でわかること】
介護施設の看取りケアでの、ご家族への声かけの考え方とパターン別の例文集・NG例がわかります。
看取りケアの基本は理解しておこう

「寄り添った言葉で…」「素直な感情を…」「気持ちに配慮して…」、利用者さんが亡くなった時のご家族への声かけを検索するとこうした説明が出てきて、声かけの例文だけ知りたい人からすると「そこはいいから…!」と思うかもしれません。
でも、ご家族にとっては「親や身内が亡くなった直後」です。
気持ちが大きく揺れているときなので、どんなにきれいな言葉をかけても、こちらの表情や態度が冷たければ伝わりません。
看取りケアの基本は、
- 利用者さんの尊厳を守る
- その人らしい最期を支える
- ご家族の精神的サポートも含めてケアをする
声かけの内容だけではなく、表情・雰囲気・亡くなる前後の接し方など全てを含めて心理的な手助けになる事を心掛けましょう。
それから、亡くなられた後の施設としての流れ(医師の診断・連絡・安置の場所・手続きなど)をスムーズに案内できるようにしておくことも大切です。ご家族は平常心ではありません。小さな説明漏れや準備不足が、そのまま不信感につながることもあります。
利用者さん・ご家族ごとの特徴は把握しておく

当たり前と思われるかもしれませんが、利用者さんやそのご家族にはひとりひとり違ったご家庭の事情、生活歴があります。
例えばですが、
- 入所前は同居していたのか、別居なのか、疎遠だったのか
- 面会の頻度は多かったのか少なかったのか
- もともとの親子関係・夫婦関係はどうだったのか
- 看取りになる前から「もう最期が近い」と受け入れていたか
- 施設の対応に不満を持っていたかどうか
こうした背景を知っておくと、言ってはいけない言葉・言わないほうがいい言葉を避けられます。逆に、日頃からまめに声をかけていて関係が良好なら、少し踏み込んだ、気持ちに寄り添う声かけをしても受けとめてもらいやすくなります。
利用者さんが亡くなった時のご家族への声かけ例

ここからは、実際に現場で私や周りの介護士さんが使っていた声かけをパターン別に紹介していきます。
丁寧なパターン
- ご家族と利用者さんの関係がそこまで深くない
- 遠方の親族が代理で来られている
- 身元保証会社など家族代行サービスを使っている
といったケースでは、しんみり寄り添うよりも「事務的だけど失礼がない」対応のほうが安心してもらえることが多いです。
その場合は、まずは丁寧にお悔やみを伝えます。
「この度はご愁傷様でございます。」
「本日は急なご連絡にもかかわらず、お越しくださりありがとうございます。」
「心よりお悔やみ申し上げます。」
といった言葉をお伝えしたうえで、
「本日〇時頃から容体が悪化し、看取りの対応をしておりました。」
「このお部屋でお待ちいただき、医師の診断書ができ次第ご案内いたします。」
など、亡くなられるまでの経過と、これからの流れを落ち着いて説明するだけで十分です。ゆっくり・はっきり・短く話すのがポイントです。
親身なパターン
反対に、生前からご家族としっかり関係を築けていた場合は、型どおりの言葉よりも「あなたのお母さんはこう感じていましたよ」という具体的な言葉のほうが響きます。
現場で実際にあった場面です。
お母さんが亡くなられ、娘さんが泣きながら担当介護士に抱きついていた時、その介護士がこう声かけをしていました。
「お母さん、最後に会えて嬉しかったと思いますよ。きっと待ってたんだと思います。」
「『家にいたときは娘が全部やってくれてたのよ』ってよくお話されてました。すごく感謝されてましたよ。」
「少しここでゆっくりしててくださいね。私もまた見に来ますから。」
文章で読むと少しくだけているように見えますが、こういう場面では「丁寧さ」より「寄り添い」を優先した方が良いですね。ご家族との距離が近い時は、利用者さんの生前の口ぐせや、最期が良い別れだったことが伝わる言葉を選ぶと、とても安心されます。
利用者さんへ声かけをするパターン
これは少し上級ですが、すごく素敵な対応だなと思ったので紹介します。
入所歴が10年以上ある利用者さんが亡くなったとき、ベテランの介護士さんが、横にいるご家族に聞こえるような声の大きさで、利用者さんの手をさすりながらこう言っていました。
「娘さん、隣にいてくれてますよ。」
「来てくれてよかったね。」
「もう大丈夫だからね。」
「ゆっくり休んでくださいね。」
ご家族はそれを聞きながら涙を流していました。
亡くなった利用者さんに心から寄り添っていた姿を家族にみてもらうことで、「この施設に任せてよかった」としっかり感じてもらえるんだなと私も勉強になりました。
他の場面でもそのベテラン介護士さんは、亡くなった利用者さんへ向けてこんな声かけをしていました。
「おかあやんって息子さん呼んでくれてるよ。」
「耳は最後まで聞こえてるからね。」
「体さすってくれてるよ。」
「朝まで頑張ったから会えたんですよ。よく頑張りましたね。」
こういった声かけは、亡くなった利用者さんにも、ご家族にも届く、看取りケアの最期にはとても良い声かけだと感じました。
とにかく例文を知りたい方へ
ここからは、実際に使いやすい一言フレーズを並べておきます。場面に合わせて選んでください。
- 「ご家族の支えがあったからこそ、安らかに過ごせたと思います。」
- 「日々の声かけや触れ合いが、ご本人にとって大きな支えになっていましたよ。」
- 「今はどうか、涙をこらえずにお過ごしください。」
- 「大切な方を失われて、本当におつらいことと思います。」
- 「どうかご無理をなさらず、ご自身も休んでくださいね。」
- 「長い間のお付き添い、本当にお疲れさまでした。」
- 「最後まで寄り添っていただき、ありがとうございました。」
- 「突然のことで、お気持ちが追いつかないですよね。」
- 「ご家族の存在が、ご本人にとって何よりの力だったと思います。」
- 「安らかなお顔をされていましたよ。」
- 「ご本人も安心されていたと思います。」
- 「苦しまずに旅立たれたと思います。」
- 「支え続けてこられたこと、本当に素晴らしいと思います。」
- 「大切にされていたご様子が、いつも伝わってきていました。」
- 「ご家族の愛が伝わっていました。」
- 「ご無理なさらないでください。」
実際の現場ではこれらを適当に言いまくるのではなく、この中から1~2フレーズを状況に合わせてサッと声かけするくらいで使ってくださいね。「言葉が出てこないときのストック」としてお使いください。
NG例(避けたい言葉)と言い換え
ここでは、現場で耳にしたことのあるNG例(避けたい言葉)と言い換えた言葉も紹介しておきます。もちろん、ご家族様との関係性によっては、NG例の声かけが適切な声かけとなる場合もあります。ご家族に合わせて、負担がかからない言葉選びを意識しましょう。
① 前向きの断定・意味づけ
NG例:「大往生でしたね」「楽になれて良かったですよ」
→ご家族がそう前向きに受け止めているとは言い切れません。
言い換え:「本当におつらいことと思います」「お気持ちが追いつかないですよね」
② 立ち直りを急かす励まし
NG:「元気を出してください」「時間が解決しますから」
→悲嘆の時間を与えられていないと受け取られがちです。
言い換え:「今はどうかご無理なさらずに」「ゆっくりお別れの時間をお過ごし下さい」
③ 比較・評価・一般化
NG:「良い看取りケアでした」「みなさん同じような感じですよ」
→故人とご家族の唯一性が尊重されていないと感じさせる。
言い換え:「〇時ごろ手を握られると表情が和らいでいました」「お顔は穏やかでした」
④ 専門用語・慣れた口調
NG:「お看取りのフローだと…」「大丈夫っす」
→専門用語は誤解のもとになりがち。状況に合わない軽さは信頼を損ねます。
言い換え:「これからの手続きと流れをご説明します」「大丈夫ですよ。すぐに対応致します。」
まとめ
- 看取りケアでは、言葉だけでなく態度・表情・説明の丁寧さも含めた対応を心がける
- ご家族の背景を把握しておくと、失礼な声かけを防げる
- 関係が深いご家族には「その方らしさ」や「生前の言葉」を添えると響きやすい
- ベテラン介護士さんの言い回しは本当に参考になるので、現場でこっそりメモしておくのもおすすめ
ちなみに私は新人の頃、看取りケアでの声かけが得意ではなく、何も声をかけれない時もよくありました。今でも声かけに悩む看取りケアも多々あります。
この記事が私と同じような、看取りケアでの声かけに悩む方の助けになれれば幸いです。
「もっとこんな良い声かけがあるよ!」「私だったらこうするよ!」「こんな良い看取りケアを体験したよ」などあれば、ぜひコメントで教えて頂けると助かります!
最後までご覧頂きありがとうございました!


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